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野獣ジェイクの観察日記42
「欲しいっ」

「ダメ」

「買うっ!!」

「ダメ」

ジェイクは食欲はあれど、物欲はない男だ。

ブランドなんか全然見向きもしない。
いたって健全なアメリカンボーイである。

が、珍しく「時計」を欲しがっている。

1万円しない時計である。
ジェイクはブランド時計なんか欲しがるはずもなく。

でも今つけているのが、たしかにそろそろ買いかえ時かも、とは思う僕も。
ずいぶんくたびれてるから。ゴム?みたいな素材。ダイバーウォッチみたいなごつい。


だからなのさ、ジェイク。
これはダメ。

くたびれるくらいハードに使うジェイクだからさ。
シャワーもそのまま浴びるし。寝るときもつけてるくらいだし。僕は寝てるジェイクから外すから、どれだけ時計がくたびれているか知っている。


つまり防水、これはマスト。さらに、ステンレスとかじゃないと「ダメ」
これってベルトが、ウッド、つまり「天然木」じゃないか!

生活防水程度じゃそれにダメ。シャワーがんがん浴びるじゃないか。


変わってる。ウッドのパーツがつらなっていて、めずらしいのはめずらしいけど。


めずらしいだけ。水、つけられもしないじゃん。


若い子の洋服やさんで、たまたまジェイクが見つけたんだけど。ケースの中に。
9900円くらいで、1万円しないけど。
値段的には、問題ないけど。


「ノリック、欲しいっ!」

「ダメ」

「買うっ!!」



そもそもジェイクはいつも僕に

「どうしてノリックは時計がいくつもいるのさ?1つあれば十分でしょ?それで事足りるじゃないか?」


と言っていた男である。

このセリフは僕が前に腕時計を街でウインドー越しに「きれいだなあ」とじー・・・と眺めていた時にジェイクが言ったのだ。見てるだけじゃん。




「それにジェイク時計、今あるでしょ?それでいいじゃん」

「あげるっ!」


いや、いりませんから。


結局買わ(せ)ずに店を出ました。


でも先日ジェイクが横浜に戻るとき、ジェイクの時計見たら止まっていました。
電池も切れたようで。


ちょっとかわいそうだったかも。
時計を欲しがっていたのは時間が遅れるなどその兆候感じていたのかも。

だから時計珍しくじー・・・と見ていたのかも。
電池をかえるより、本体も寿命だし、たしかに。


結局横浜へ帰るジェイクには僕の時計をつけさせました。

以前ブログで写真で紹介した僕の「J」という名前の文字がたまたま「時計の名前」となっている時計です。
傷や衝撃に強いセラミックだし防水で、ビッグフェイスのダイバーズウォッチなので、ジェイクにはぴったりであります。

ベルトも僕は時計を手首ではなく、ブレスレットのようにものすごくゆるくつけるので、ベルト長さもこまを足さなくてもジェイクの太い手首にはぴったり。


「ジェイク、これあげる」


「ほんとにっ?」

うん。あげる。

「じゃあノリックにこれあげるっ」

止まった自分の時計を差し出すジェイク。

クタクタになるまで使われたその時計。

物は使われてこそ、です。

ここまで使われたら「本望」というわけで。


ほれほれっ、と差し出すジェイク。


や、だからいりませんから、みたいな。


えへっ。



to be continued.
by foodlovers | 2008-03-05 22:18
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