ツグミと大地。
忘れてならない、タキ。 ラブクには、今回タキの影はないけど、フラバではタキの存在は大きいね。 実際、フードラバーズの続編を書こうか、と思ったとき(これほんと。エピローグを書き足しているとき、続編の映像が僕の中でおっそろしいスピードで組み立てられてね。ラストまで一気に見える勢いで。もちろん、僕書かないけど)そっちではタキの存在がぐっと大きくなってた。でもツグミが拒絶して。理由はまあ、僕にはわかる(ってこれじゃあ、読者さんにはわかんないね、ごめんなさい) 普通、小説を書くとき、作家それぞれ独特の書き方というのがあると思うけど。 僕はその普通、が一番居心地悪い。 僕はまず、頭の中で映像を一気に流す。そのとき細かいディテールまで、はっきりと見てる。 その映像を、実際文字に落とし込むまで、何十回という別パターンの映像も見る。 じっくり座ってるときもあるけど、歩きながらとか、ほかの事しながら見てることが多いかな。驚くほど、何しててもその映像には集中できるよ。 最後の終着点が最初から僕の場合クリアだから、何十パターンの映像って(場合によっては何百)それほど見るの大変なものではないんだ。 結局目的地に向かうわけだから、迷いがない。だから苦ではない。 迷ってるんじゃなくて、一番僕がこれ、というものをキャッチしたいから、練りに練る。 読者さんが読んでくれたとき、理屈なしにおもしろい、って言ってもらいたいからね。ベストを尽くす。その覚悟は、半端じゃないと、これだけは堂々と言いたい。 料理もそうだよ。理屈こねくりまわしておいしいより、理屈なしに、あ、おいしい!が一番おいしいんだから。 だから何十回何百回と懲りずに頭の中で映像を繰り返す。 原稿にむかうと、一気。迷い無く、書き進む。これまたしんどいといえばしんどい作業だと思うけど、ペン持ったら早い。 ただし、むかうまでも書き出してからも相当、骨砕く。身を削るというより骨砕く。頭も砕く。 (砕いた頭は3日で戻る宇宙人) 実際原稿を書く前に、どのテイストで書くのかまず決めるわけだけど。 料理でフレンチにするのか、イタリアンにするかのごとく、僕は小説も、その文章というか、文体のカラーを決めるんだ。 重たくて奥深い(ように思える)文学的な文体にするのか、もっと軽やかにするのか。 フラバの場合は、僕正直、フレッシュ(?)なタキという人物が見えたときに、はっきりと腹をくくった。 僕が頭で見て自分の腹で感じてることをそのまま文章で練り上げて、読者さんが一度読み始めたらとらえて離さないような文体にしようと。 つまりそれは、フラバに登場する若いエネルギーある人間を、一番近くで表現できると確信したから。 それにそんな見たこともないと言われそうな文体が、一番僕らしい書き方だと思ったから。 どこかの誰かに似た文章とかいうのは、僕は嫌。 自分の刻印を刻んだかのような、僕らしい、独特の文体にしたかった。 ツグミ、大地、タキ。彼ら3人を描くことで、はぎれのいい文章は生きてくると思ったんだ。 彼ら3人の若いパワーは、普通の原稿枠や文章枠(そんなもん厳密にはないけど、感覚的な話ね)では、はみだしそうだったから。 僕はばっさり、その枠、を無視したんだ。タキの若さが後押ししたのは事実。 普通、こんなことは公に語らないと思うけど、せっかくのブログなんだし、いいや、話ちゃえ、ということで言っちゃいました。 だからタキのことも、少しこのブログで触れないと。 ブログではタキにあまり触れていないからここで。 ここからは、ツグミよろしく。 はい! タキの好物は、大地と同じく納豆だよ。 タキは親元を離れ、東京タワーの見える場所に一人暮らしをはじめてから、料理は少しづつやるようになっていた。忙しいから、普段はさすがに無理だけど、時々休みの時とか、家にごはん、誘ってくれた。タキの後輩とか集まってたりして、ここは学校か?ということも何度もあった。人数多いときは、 キムチチゲとか一緒にみんなで作ったよ。仕上がったキムチチゲ写真にとって、テレビ番組で紹介していたときはびっくりしたけど。あれ、納豆入ってた。 ラブクで紹介してる僕のチゲに、納豆1パック加えてもグッとこくが出て、さらにおいしくなる。あまり納豆に火を通しすぎないで仕上げに加えるのがコツ。 試してみて。 だそうで。試してあげてね。 では!
by foodlovers
| 2007-10-26 20:40
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Profile
金本J.ノリツグ
1973年三重県生まれ。20歳で料理人を目指し上京。和、フレンチ、イタリアンと幅広く学び、料理研究家として活動を展開。簡単でおいしく、薬膳知識をも生かしたヘルシーなレシピが人気を集め、各局テレビ、雑誌に幅広く登場する。食品企業のレシピ開発や商品開発、公演なども手がける。作家としての処女小説に『FOOD LOVERS』、そこから飛び出した実写版レシピ本として『LOVE in COOK』(いずれもアートン)がある。『LOVE in COOK』では、小説の主人公を著者自らが演じ、作品の世界をビジュアル化した。コンセプト、料理、スタイリングはもちろん、文章、写真表現にいたるまでをセルフ・プロデュースした意欲作となり、今後さらなる幅広い活動が期待されている。 カテゴリ
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