「今週末そっち行くから」 え、行ってもいい?じゃなくて「行く」なのですか・・・。 問答無用ということで。 「ジェイ渋谷まで来てよ、わからないから、俺ジェイのうちまでは」 はじめてですからね。 今週はジェイクまたパパさんの仕事に同行(強制連行)されるためうちには来ないので、わーい、僕の時間だ!事務的な仕事たまってるやつ処理しちゃえ、と思っていたのに。 予定外。 最近携帯の着信はネイトかジェイクが非常に多く。エカが僕をつかまえるより、彼らが捕まえようとする回数のほうがはるかに。 大人気であります。 「ごめんネイト、僕週末ダメ」 と言いたい言葉を飲み込んだ僕。 ジェイクパパから先日も連絡があって「念押し」されているし。 言えない、みたいな。 「いいけど、夕方以降でいい?」 「いいよ、よろしく!」 覚悟であります。 どうやら最近僕の生活は彼ら中心に動いている(ふりまわされている)ようで。 「あと友達も2人連れて行く。渋谷」 ご自由に。 完全に僕の環境は仕事以外は「海外ステイ状態」であります。 昨日は仕事が終わって原宿の某カジュアルストリートアパレルショップへ。 ジェイクのティシャツがそろそろひまをあげないと、という状態になっていたので、買うことに。 そのビルは最上階かなんかが大きなジムとなっていて、1階2階が洋服やさん。 入り口入ったところにエレベーターがあって、その横にショップの入り口が。 僕はそこでジェイクパパの携帯を受けました。 エレベーターを待っていた、白人男性がエレベーターに僕が乗り込むのを中でボタン抑えて待ってくれたようで。 「あ、いいです、行ってください」 そう声かけた僕。 そしたらその人、エレベーター降りて出てきました。 壁際で、僕が携帯終わるの待っているように思えました。 ? パパさんとの携帯終えて、「気がつかないふり」して僕は店に入ろうとしました。 「すいません」 声かけてきた彼。 エグゼクティブ、という雰囲気です。マッチョ。上のジムは会員制。そこの熱心な会員なのでしょう。40代には行ってないかな。30後半。グリーンに近いブロンド、ブルーアイ。 「はい?」 「英語しゃべれるんだね。日本人?」 「いいえ。違います」 「君も会員なの?上のジム」 「いいえ」 「そうなんだ。君スリムだから、てっきりそうかと思った」 SO NOW WHAT? といいたい気持ちを抑えて「じゃあ」とさっさとお店の中へ。 2階がメンズだったはずなので、エスカレーターへ。 ふと気がつくとその男性、ついて来てます。 まずい。これはちょっとおかしい。 僕はすぐ、エスカレーターかけあがり、フロアを大きく姿を隠すように柱を軸に一周まわって、下へ降りるエスカレーターへ。 早足で降りて、そのまま出口へ向かいました。 この手の経験はもう、慣れっこ。 変な話だとは思いますが実際そうです。いちいち驚きもしません。 髪を黒くしてからは、圧倒的に外国人が声をかけてきます。 不思議ですが、そんなものです。 出口を出たら、なんとエレベーターからその人、飛び出してきて。 「うわあっ」って感じです。 その彼、少し笑いながら 「怖がらせた?ごめんごめん」と。 普通、怖いですから。 「君に僕の名刺を渡したくて」と。 フォトグラファーでした。肩書きは。 名刺の紙質やインクの質から、うそではないかもね、という感じ。 「ぜひ今度撮らせてくれないか?」と。 「気が向いたら連絡して欲しい」と。 「妻に着信もらっても折り返さない男でも?」 つまり「僕は連絡なんてしないよ」という意味です。 同時に妻という言葉をふんで、僕がストレートであり、ゲイやクイーナーでないことを伝えます。 「じゃあ、こちらから着信くらいさせてくれ」 つまり「携帯番号を教えろ」ということで。 なかなか頭の回転速い。ウイットもある。 さすが大人の男だと思った。 すいませんね、普段「お子様」相手にしてるもので最近、みたいな。 「O.K」 そういって僕は、もらった名刺のセルナンバーをさりげなく読み上げました。 「それは僕の携帯番号だ」 少しあきれたように笑った彼。 「これから時間ある?よかったらおなかすいてるんだ。一緒に食事でも」 「ジムが先ね」 ちょうど 到着したエレベーターに僕は彼をそっと押し込んで最上階のスイッチと「閉」ボタン押しました。 「じゃあね、がんばってジム」 エレベーターが上へ。 僕も大人になりましたな。 昔なら、バタバタして逃げ出すのが精一杯。 今はもう、スマートにあしらうことができるようになりましたっ。 そうだ僕大人だし。 子供の相手、頑張りますか週末。 えへっ。 ではまた!
by foodlovers
| 2008-02-19 11:00
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Profile
金本J.ノリツグ
1973年三重県生まれ。20歳で料理人を目指し上京。和、フレンチ、イタリアンと幅広く学び、料理研究家として活動を展開。簡単でおいしく、薬膳知識をも生かしたヘルシーなレシピが人気を集め、各局テレビ、雑誌に幅広く登場する。食品企業のレシピ開発や商品開発、公演なども手がける。作家としての処女小説に『FOOD LOVERS』、そこから飛び出した実写版レシピ本として『LOVE in COOK』(いずれもアートン)がある。『LOVE in COOK』では、小説の主人公を著者自らが演じ、作品の世界をビジュアル化した。コンセプト、料理、スタイリングはもちろん、文章、写真表現にいたるまでをセルフ・プロデュースした意欲作となり、今後さらなる幅広い活動が期待されている。 カテゴリ
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