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野獣ジェイクの観察日記7
やりましたとも、約束通り。
何って、野獣の毛刈り、あ、いや、ヘアカット。


昨日ブログでお伝えしましたように、本気でキッチンバサミ、のつもりだったのですが、さすがに「それって人としてどうよ」という気持ちから、買いましたとも、はさみまで。

ジェイクは僕の包丁使いを見ているので、器用だ、と思っているらしく「切ってやる」に対してまったく抵抗なく喜んでいた。

その笑顔が恐ろしい顔に変わらぬよう、カットをうまく終えなければ。

どう考えても、もしも失敗して、仮にちんちくりんな頭になんぞしたくらいなら、間違いなく猛烈なバトルが予想される。
身体の大きさから考えて、僕の生存率はかなり低い。

野獣を食うか食われるか。
張り詰める緊張感(うそ)


いつもカットしてもらっているZENKOさんでは、シャンプーしてぬれた髪でカットされる。
ということは、髪がぬれた状態でカットする、ということだろう。


まずは野獣がお風呂に入る。
髪を洗って、湯船につかり、そこを見計らって檻の中へ僕は入った。
あ、見計らって、というのは、僕のアトリエはバスルームが前面ガラス張り、なのである。
イコール外から丸見えなのだ。
カメラマンや編集者が驚いたり、大笑いするのも無理はない。そうだろうそうだろう。
いくらデザイン上、とはいえやりすぎである。
ただし、一人暮らしの僕には誰が見るわけでもないので、全然問題ないのである。


野獣の背中の前に座り、ふと考えた。

どっからどう切ったらいいのだろう?
前髪は最後だったな。後ろのまず半分からか。
はさみはたてに入れるんだったな。
どんくらい切るんだろう。


あまりに考えていたからか、野獣が少し不安そうに振り向いた。
「大丈夫?」
「大丈夫!」(というか君が大丈夫?)
僕の動揺を悟られてはいけない。

「切ったことある?」
「あるさ」野菜やお肉なら。

不安そうなジェイク。

そうだろうそうだろう。
僕もそうだ。

だが(未来の)兄を信じろ、ジェイク。



「ほら、前向け」
お願い。


毛先ちょこちょこカット。
のつもりが、結構ばっさり切れた。はさみたてに入れたのに。
まあいいや、ジェイク、ちんちくりんを覚悟しろ。



カットが終わり、僕は檻の外へ。


風呂から出てきたジェイクは髪が濡れてるせいか、それほど確認はまだできない。
乾いたときが、勝負。
明日の朝だな。


そして今、朝が来た。
野獣はまだ睡眠中。
昨日教育放送で英会話番組をやっていて、チャドという外国人の奇妙な軽いダンス?みたいな動きに大うけしていたジェイク。

どうでもいいがジェイク、ティーショーツ、ドレスショーツ、とチャドが発音する後を追いかけて
君は発音していたが、どうかんがえてもあんた、ネイティブですから。


僕が寝ている頭をキャッチして確認するに「変ではない」
うまくできたとは言わない。できてないから。

でも「変ではない」ようだ。



ふー・・・。




僕にはかわいい甥っ子姪っ子がいる。一番上の姉は子供の髪を自分でカットしているという。

それほど器用ではない、と自分で言っていた姉が、一生懸命毎月カットするという。

親子のコミュニュケーション、ということか。仕上がりは
ちびまるこちゃんに「そっくり」なそれはそれは素敵なヘアー、である。
愛嬌があって、いい。



最近、僕は人と前よりもよくコミュニュケーションできるようになった。
以前は、壁だらけだった気がする。意図的に周りをはねつけた。

人から「愛」を受け取ったら、その「愛」を返そうと行動すること。


こんなシンプルなことだったのに。
何かを受け取ることすら、僕は拒否してた。




フードラバーズが産声を上げたのは、きっと今の自分がいるからだ。




今日の朝の目玉焼き、ハムエッグにしてやるよジェイク。


だから前髪半分短いの、見なかったことにしてね。




to be continued.
by foodlovers | 2007-12-06 08:42
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